■素材 天然の竹vs人工竹
ししおどしは竹の太さ、節の位置により、寸法を取る按配がかわります。
素材はナマの竹ではなく、人工竹、パイプなどで代用して作ることも可能です。
ナマの竹は作りたては青々とした色をしていますが、次第に色が茶色くなってきます。
しかし、趣において本物の竹に及ぶものはありません。
人工竹はいつまでも色も変わらず、丈夫です。
風情をとるか、メンテナンスを取るかは、用途とお好みでお選びください。
■竹を採取する時期(竹の切り時
一般的には竹の成長が止まる10月以降秋から冬にかけてが良いといわれています。
1年竹は組織がまだみずみずしいため、採取・加工後、乾燥で皺(しわ)が発生しることが多く不適です。
なお竹の採取をご自信で行われる際は、必ず地主さんの許可をうけてください。
■寸法
竹の太さにより変動します。また、ししおどしの制作には節の位置が重要ですので、あくまでも寸法は目安とお考えください。
ちなみに音色は、大きい造作のものが当然良い音がします。余韻が全く違います。
太い孟宗竹でつくったししおどし「 かっ… こぉぉぉ〜ん……………!」
室内用のミニミニししおどし「コ・キン!」
設置場所その他のご事情にあわせたサイズでおつくりください。
■筧(カケヒ・かけい)は、水を導く部分です。
■たたき台は硬い石が良いでしょう。(音色に影響します)
■可動する竹筒は、水を受ける部分を斜めに口を切り、支点の上に節がくるように切断します。
叩き台の石に当る部分は節ギリギリで切断します。
一日に何度も石と当る部分を丈夫にするため一般的には節を残しますが、音色を優先してこの部分の節を抜くという場合もあるそうです。
「プティオししおどし実験隊」の研究では(?)、長期間動かしていると、この石に当る部分から竹筒が割け、上の節まで割りが入り水が洩れてししおどしが動かなくなるケースが何度かありました。
ししおどしは自然を生活に取り入れる風情を粋とする造作物。
形あるものはいつか壊れる。
手入れもまた趣味人の楽しみ。
壊れたら潔く作り変えるのが粋、というものなのでしょうか。
毎年、決まった時期にシシオドシを作り変え、
年毎の出来によりの音色の違いを聞き比べるのも、趣き深いですね。
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