ポンプの基礎入門3-【電圧と周波数】定格電圧と周波数の知識

プチコ

質問がきたよ。
ポンプ以外の電気製品にも必ず表示されている周波数とか電圧使うときや性能上、どう関係してくるのですか?」だって。

プチオ

わたしも、よく知らないわ。
たしかに、家庭用電源のコンセントにさして使うプティオのAC水中ポンプには必ず表示されているわ!…必ず書いてあるということは、とっても大事な数字ってことよね…?

ポンプ仙人

なにいっつ?
電圧・周波数についてじゃと!?
お前たち、そんなことも知らずに使っておったのか! 
…まあよい。教えてしんぜよう!

プチオ

仙人、お願いします!


■AC水中ポンプと周波数帯、電圧のかかわり

■水中ポンプに使われているモーターの種類(モーターの同期)
■ポンプに関連する電気用語の基礎知識&トリビア
【電流】
【電圧】
【直流と交流】
【周波数】
【日本の商用電源】
【仕事率電力:ワット】
【オームの法則】
■~プチコの質問箱~ 
【海外で購入してきたポンプは使えるの?】(電圧の違う場所での使用)
■プチオの日誌
【周波数に関して】
【プチオのプチ実験室】(周波数の違いによるポンプ性能の差)
■《補足トリビア》主な電気製品の周波数の対応の一般的な例
■プチコ一言メモ

AC水中ポンプに用いられるモーターの種類(モーターの同期)

ポンプ仙人

まず、水中ポンプの心臓部、モーター種類のことから話そうかのう。
少々難しいかもしれんが、まあ、とりあえず確認しておこう。

PUTIOのAC水中ポンプには『シンクロナスモーター』が用いられておる。
『シンクロナスモーター(SM)』とは『同期電動機』とも呼ばれ、
電源周波数に同期した速度で回転する電動機(モーター)のことじゃ。
回転子が界磁の、回転界・磁形が一般的に用いられる。

周波数というのは電気のリズムじゃな。
この「周波数(リズム)になると同期して回りはじめるモーター」と思ってよい

プチオ

シンクロナスモーター…。
つまり、なわとびで、縄の回るタイミングと足踏みのリズムが一緒になると、
こどもが走り込んで縄跳びが始まるみたい…な感じで、回転が始まるってこと?

ポンプ仙人

まあ、そんなかんじかじゃ

■ポンプに関連する電気用語の基礎知識&トリビア 

ポンプ仙人

”用語”じゃ

電流

電位差による荷電粒子(通常は電子)の移動に伴う電荷の流れ。電子の流れと逆向きが電流の向きと定義されている。電流の大きさの単位はアンペア(A)。

電流

電位差による荷電粒子(通常は電子)の移動に伴う電荷の流れ。電子の流れと逆向きが電流の向きと定義されている。電流の大きさの単位はアンペア(A)。

電流

電位差による荷電粒子(通常は電子)の移動に伴う電荷の流れ。電子の流れと逆向きが電流の向きと定義されている。電流の大きさの単位はアンペア(A)。

電圧

『基準点からの電位(電気的な圧力)の差』のことである。単位としては『ボルト(V)』が使用される。

直流

電流の向きが変わらないものを直流電流(DC)という

交流

電流の向きが時間的に変化するものを交流電流(AC)という。

周波数

周波数(しゅうはすう)は、ある一定の時間中に現象などが反復されるときのその回数をいう。
日本商用電源として供給されている電気は交流。
日本商用電源周波数は、一口でいうと、東日本が50ヘルツ(以下、Hzと表記)、西日本が60Hz。

日本の商用電源は、交流が用いられている。
周波数は左記の理由から東日本で50Hz、西日本で60Hzが用いられている。

《補足トリビア》商用電源に交流が用いられている理由
導体に電流が流れると、導体の電気抵抗により、電流の2乗に比例した電力が熱として消費される。これは遠方の発電所から電力を送電する場合には、そのままエネルギーのロスとなる。同じ電力の送電でも、電圧を上げると電流を減らすことができるので、送電時のエネルギーのロスを減らすことができる。遠距離の送電時には高い電圧を使い、各家庭・事業所の近くで使いやすいレベルまで変圧器で電圧を下げるといったことが容易にできるといった理由で、商用電力に交流が使われている。

ポンプ仙人

豆知識じゃ
日本で2種類の周波数があるわけ
日本国内の周波数帯が東日本で50Hz,西日本で60Hzが使われておる理由は、もともと発電機を輸入した国が違うからじゃといわれておる。
文明開化の明治時代。発電所のタービン用モーターは国内では生産できなかったので、輸入に頼っておった。
東京電灯は、ドイツ製の50Hz(ヘルツ)のタービンを
大阪電灯はアメリカから60Hz(ヘルツ)のものを輸入した。

それ以来、糸魚川を境に、東は50Hz、西は60Hzの周波数帯となった。
50Hzの電気を供給している電力会社:北海道電力、東北電力、東京電力(静岡県富士川以東)
60Hzの電気を供給している電力会社:中部電力(静岡県富士川以西)、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力じゃ。

ポンプ仙人

高圧電線には恐ろしいパワーが秘められておる。
うかつに触らぬよう、気をつけるのじゃ!

ワット

ワットとは仕事率電力をあらわす単位である。
記号はW(ワット)。

《補足トリビア》ワットは蒸気機関の発展に大いに貢献したジェームズ・ワットにちなんで名づけられた。

SI組立単位では次のように表される。 m2・kg・s-3

他の単位との換算は次の式。 1 W = 1 J/sec (1ジュール毎秒) ≒ 0.00136 馬力(仏馬力)

ポンプ仙人

豆知識じゃ
オームの法則

(直流の場合)
オームの法則 (電圧=電流×電気抵抗)が成り立つ。
交流の場合でも、純粋な抵抗負荷を使用し、電圧・電流を実効値で表した場合には、この式は成立する。電流は電圧に比例し、抵抗に反比例する。

オームの法則

直流回路の場合、電圧=E・電流=I・抵抗=Rとすると、次のように表される。

E = IR  I=E/R

また、電気伝導(抵抗の逆数:コンダクタンス conductance)Gは次のようになる。

E=I/G  I = EG


~プチコの質問箱~

ぷちこ

師匠、電圧に関して質問がとどいてますよ。

Q.「外国の220V地域で、つくばいセットを購入して持ち帰りました。
日本に帰ってきてから動かしたところ、ポンプは確かに動いているのに水がほとんど出ません。どうしてですか?」

ポンプ仙人

「220Vの地域の電気製品を、100V地域で使えるか?」 という内容じゃな?

…残念ながら、それは無理じゃっ!!

シンクロナスモーターでは周波数に同期する。
じゃから、周波数が違うと最初のシンクロができずに動かない場合が多いんじゃ。

例えば100Hzのリズムの機械は220Hz周波数の電気が刻んでいるリズムには、動き始めの最初の段階でシンクロできん。

長縄跳びをイメージしてごらん。
自分が足踏みしているリズムと違う回転数で回している縄跳びに飛び込めないのと同じような感じじゃ。

たとえシンクロして動きはじめたとしても、電圧が220Vで動く設計のモーターは
100Vでは、ほんの小さなパワーでしか出すことができないんじゃ。

見た目は220対100…。
一見、「だいたい、半分位?」と勘違いしがちじゃが、
実際は『仕事量は 電圧の2乗に比例する』と…

(オームの法則から、導き出された出力の式をみてごらん)

220対100の、2乗に比例した出力、で計算されるぞ。

100ワットの地域で220ワット設計の電気製品を使った際に
どれくらいのワット数(お仕事をする力)がでるのかを算出してみると

(100÷220)×(100÷220)=0.454545…×0.454545…=0.206611…!

なんと!半分どころではなく、約20%の力しか出せんっ!
つまり220V仕様のポンプは100Vの電圧では、たった20%の仕事しかできん。違う周波数帯で使うために設計された製品は、モーターがシンクロし始動し始めることが難しいのじゃ。またたとえ動きはじめたとしても、220V設計のモーターを100Vで使った場合には約20%の力しか出なんから、チョロチョロとしか水が出ない。

逆に、電圧オーバーしたら地域で使うのは、とても危険じゃ。
爆発を起こすこともあるから、本当にあぶないぞ!

以上のような理由から、
残念じゃが、電圧・周波数の異なる外国のポンプは使えないものとあきらめるんじゃ!

プチオ

電気製品は
その国その場所の周波数や電圧の規格あわせた設計がされているんだね

プチコ

外国の電気製品を日本国内で使うと
「動かない」とか、「本来の性能が発揮できない」ということになるのね…

ポンプ仙人

電圧の高い地域のものを、低い電圧の地域で使おうとすると
「始動しない」か、または、パワーがほとんどでないのじゃ。
逆に、電圧オーバーしたら地域で使うのは、
爆発等を起こしちゃうこともあり大変危険じゃ!

ちなみに、以前、日本製のAC水中ポンプをイギリスに持っていった女性がおってのう。電気のことなぞ何も知らず、そのままコンセント挿したところ…
!!大爆発したそうじゃっ!!
ポンプ本体のケースもろともばらばらに吹き飛んだそうじゃが、お怪我はなく、ご無事で何よりじゃった。
ほんとーに冷や汗ものじゃのう!!

皆も、
外国から電化製品を持ち帰ったり、
日本から外国に持っていったときは、
電気製品の規格に十分に気をつけるのじゃ!

お気軽にお問い合わせください。0566-76-4187(代)受付時間 10:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]

ネット通販部はこちら どうぞ御覧ください